猫って、もっと静かな生きものだと思っていたんです。
けれど、ラッキーと暮らし始めてから、そのイメージはがらりと変わりました。
彼女はとにかく“おしゃべり”なアメショの女の子。
朝から晩まで、何かにつけて鳴いてくるので、最初の頃は「これ、ずっと続くの?」と少し不安になったほどです。
でも、鳴き声の“意味”を理解するようになってからは、対処もずっとラクになりました。
今回は、鳴き声の多さに悩んだ時期を経て、わたしがたどり着いたラッキーとの向き合い方をご紹介します。
うちのラッキーも鳴き声多め!最初は戸惑いました
「こんなに鳴くものなの?」――ラッキーと暮らし始めて間もなく、わたしは何度もそう思いました。
とにかくよく鳴くんです。
トイレの後、ごはんの前、人が立ち上がったとき、テレビの音が変わったとき…とにかく何かあれば「にゃーん」。
そのたびに戸惑いながらも、少しずつ「これはラッキーの気持ちの表現なんだ」と気づくようになったんです。
おしゃべりすぎて困った日々の始まり
ラッキーは、うちに来たその日から“よく鳴く猫”でした。
移動の車中でも、部屋の中でも、ケージに入れたときも「にゃーん、にゃーん」と声を出し続けていて、正直ちょっと不安になったのを覚えています。
アメショはおしゃべりな傾向があるとは聞いていましたが、こんなに鳴くとは思わず、「何か体調が悪いのでは?」と心配して、すぐに動物病院に連れて行ったほど。
でも健康に問題はなく、先生にも「この子はよくしゃべるタイプですね」と笑われてしまいました。
その時はまだ、「これから毎日こんな感じなの?」と心配でいっぱいで、静かな時間が欲しいと思ってしまう自分にも、ちょっと罪悪感があったんです。
鳴き方でわかる「伝えたい気持ち」
毎日の鳴き声に少しずつ慣れてくると、だんだん「この鳴き方はこういう時」「このトーンは甘えたい時」といった違いが見えてきました。
たとえば、短く「にゃっ」と鳴く時は呼びかけや挨拶のような感覚で、長めの「にゃお〜ん」は何かを要求しているサイン。
そして少し鼻にかかったような「んにゃー」は、構ってほしいときの定番。
声の高さや勢いにも感情が出ていて、「寂しい」「不満」「嬉しい」などがわかるようになってきたんです。
この変化に気づけたことで、ラッキーの“うるさい鳴き声”が、ただの雑音ではなく、“会話の一部”に思えるようになりました。
「無視しちゃだめ?」最初に試した対応
最初の頃、あまりに鳴き続けるので「無視した方がいいのかな?」と試してみたことがあります。
人の気を引きたくて鳴く場合、それに応えてしまうと“鳴けば構ってもらえる”と覚えてしまう…という情報を読んだからです。
でも、ラッキーの場合、それは逆効果でした。
無視すると声がどんどん大きくなり、最後は扉をカリカリしたり、いたずらを始めたり。結局、わたしの方が折れてしまいました。
そこで「無視する」のではなく、「なぜ鳴いてるのかを見極めて反応する」方法に変えてみることにしたんです。
これが、後々とても大きなヒントになりました。
猫がよく鳴くのはなぜ?ラッキーで分かった原因
ラッキーの鳴き声を「性格だから」と片付けず、観察を重ねるうちに、鳴く理由にはいくつかの“傾向”があるとわかってきました。
実はその背景には、寂しさや欲求だけでなく、ストレスや体調の変化なども関係していたのです。
鳴き声の意味を理解することで、適切な対処やケアができるようになりました。
寂しい・かまってほしいというアピール
一番多かったのは、やっぱり「かまってほしい」時の鳴き声です。
わたしがソファに座ってスマホを見ていると、足元に来て「にゃ〜ん」と鳴き、軽くおしりをぶつけてくる。
パソコンをしていると、キーボードの前に座り込んで「ねぇ、今ヒマでしょ?」と言わんばかりに鳴くんです。
特に夕方から夜にかけてが多く、静かな時間ほど甘えた声が聞こえてきました。
猫は単独行動が好きだと思われがちですが、実は人とのつながりを求めている生き物。
ラッキーの甘え鳴きにちゃんと応えてあげると、満足そうに喉を鳴らして落ち着くことが多くなりました。
鳴き声は“心のサイン”でもあると気づかせてくれた瞬間でした。
お腹すいた!“催促鳴き”のクセを知る
次に多かったのが、ごはんやおやつの“催促鳴き”。
ラッキーには自分のごはんタイムがしっかり頭に入っているようで、時間が近づくと決まって台所の前に陣取って鳴き始めます。
しかもその鳴き方が独特で、「にゃんにゃんにゃー!」とテンポよく繰り返すリズム型。
最初は面白くて笑っていましたが、与えるタイミングによっては“鳴けばもらえる”と覚えてしまい、無制限に要求してくるように…。
そこで、あえて時間を決めてあげること、そして「鳴いてもすぐにはもらえない」と覚えてもらう工夫が必要になりました。
鳴き声にはクセもありますが、猫の習慣を理解すれば、過剰な鳴きは防げると実感しました。
ストレスや体調不良が原因のときもある
意外だったのが、鳴き声の中に“ストレスサイン”や“体調不良の予兆”が混じっていることがあると気づいたことです。
あるとき、ラッキーがトイレの後に大きな声で鳴くようになり、「またかまって鳴きかな」と思っていたら、実は軽い膀胱炎だったんです。
すぐに動物病院へ連れていったおかげで早期発見できました。
また、環境の変化や家族の不在が続いたときに、普段より鳴き方が荒くなったこともあり、猫も人と同じように“情緒の揺らぎ”があるのだと知りました。
単なる鳴き声と思わず、その背景にある気持ちや状態を想像することの大切さを、ラッキーが教えてくれたんです。
試して効果的だった!わたしの“鳴き声対策”
ラッキーの鳴き声をただ我慢するのではなく、根本的な“理由”に向き合うことで、わたしのストレスもラッキーの不満もぐっと減りました。
鳴き声を抑えようとするよりも、「なぜ鳴くのか?」を知ることが最も大切。
その気づきから、実際に効果のあった対処法をご紹介します。
まずは「鳴く理由」を観察して見える化
最初に取り組んだのは、「鳴いた時間と状況をメモすること」でした。
何時ごろ、どこで、どんな鳴き方をしていたのか。
すると、ごはんの時間・わたしの帰宅後・トイレの後など、“鳴き声のタイミング”に一定のパターンがあることがわかってきました。
例えば、夜19時前後は「ごはんの催促」、昼間は「かまってモード」、早朝は「外の音に反応」など、鳴く“理由”が整理されてくると、対応の仕方も変えられるようになったんです。
鳴いたときにすぐに反応せず、「なるほど、今はこういう理由かも」と冷静に受け止められるだけでも、気持ちがぐっと楽になりました。
観察を続けることで、ラッキーの性格や感情にもより敏感になれた気がします。
「声に反応しない」が逆効果だった話
よく聞く「鳴いても無視するのが一番」というアドバイス。
わたしも最初は実践してみましたが、ラッキーには逆効果でした。
鳴き止むどころか、どんどんエスカレートして、部屋のドアをカリカリ引っかいたり、物を落としたり…。
完全に“フラストレーション”がたまっている様子でした。
そこで、「無視」ではなく「反応するけどコントロールする」対応に切り替えることにしました。
たとえば、ごはんの催促には「〇〇時に食べようね」と声をかける、寂しそうな鳴き声には軽く名前を呼んであげる。
反応しつつ、すぐに望みを叶えないことで、ラッキーも安心感を得ながら少しずつ落ち着いてきたんです。
無視よりも“受け止める姿勢”が大切だと実感しました。
成功のカギは“予防”と“気持ちの受け止め方”
もっとも効果があったのは、鳴いてから対応するのではなく、“鳴く前に満たしてあげる”こと。
ごはんの時間を固定したり、遊ぶタイミングを日課に組み込んだり、トイレや寝床をこまめに整えておくことで、ラッキーが不満を感じにくくなりました。
また、「鳴いたらかまってあげよう」と思うのではなく、「鳴かなくても愛されている」と感じてもらうことも大切でした。
日々のふれあいやアイコンタクト、声かけを意識することで、ラッキーは少しずつ“静かに甘える”ことを覚えてくれたんです。
感情に応えつつ、安心感を先回りして届ける――それが、鳴き声との上手な付き合い方だったと今では思います。
鳴き声も愛しくなる。ラッキーとの新しい関係
以前は「うるさいなぁ…」と感じてしまっていたラッキーの鳴き声。
でも今では、その一声一声が、彼女なりの“ことば”だと思えるようになりました。
気持ちを伝えようとしてくれる姿に応えながら、わたし自身の受け止め方も少しずつ変わっていったんです。
今では、鳴き声も含めてラッキーらしさ。そんなふうに思えるようになりました。
うるさいじゃなくて、“会話”に変わった瞬間
ある日、ラッキーが「にゃお〜ん」と長く鳴いたとき、「どうしたの?」と聞き返してみました。
すると、驚いたことに、こちらの声に反応して、もう一度「にゃっ」と返してきたんです。
それが、まるで“会話”の始まりのように感じられて。
そこからは、ラッキーが鳴いたら「なぁに?」と答える、というやりとりが自然になっていきました。
もちろん、返事の意味が完全に伝わっているわけではないけれど、お互いに“通じ合ってる気がする”という感覚が生まれたことが嬉しくて、ラッキーの鳴き声に対する印象ががらりと変わった瞬間でした。
鳴き声が「困りごと」から「コミュニケーションの手段」に変わったことが、ふたりの関係を一歩深くしてくれた気がします。
声で気づける健康と感情の変化
ラッキーの鳴き声は、今では“体調や気持ちのバロメーター”としての役割も果たしてくれています。
たとえば、普段より鳴き声が弱々しかったり、逆にいつも以上に激しかったりすると、「なにか不調があるのかも」と気づくきっかけになります。
また、普段は決まったタイミングでしか鳴かないのに、夜中に何度も鳴くようになったときには、ストレスや不安のサインだと察して、環境を見直すようにしています。
逆に、穏やかなトーンで鳴くときはご機嫌の証。
こうした変化を感じ取れるようになると、ラッキーの“声”がとても頼もしく、日々の観察にもつながっていきました。
声を聞いて“気づける”関係になれたことは、何よりの安心材料でもあります。
今では鳴き声がわたしの日常の一部に
朝起きたとき、「おはよう」と言うように聞こえる鳴き声。
帰宅時に駆け寄って「おかえり」と言ってくれるようなトーン。
夜眠る前の「おやすみ」にも似た甘い声――。
そんなラッキーの鳴き声は、今ではわたしの一日の中にすっかり溶け込んでいます。
以前は静かさを求めていたわたしですが、今ではその“音”がないと物足りなさを感じるほど。
ラッキーの声が、わたしにとっては安心の音であり、幸せのしるしになったんです。
たとえ“おしゃべり猫”でも、それがその子らしさであれば、大切にしていきたい。
その想いが、鳴き声との付き合い方を優しく変えてくれたのだと思います。
まとめ
「うるさいなぁ」と思っていたラッキーの鳴き声が、今では大切な“コミュニケーション”に変わりました。
鳴く理由を知り、気持ちに寄り添うことで、わたし自身の見方も大きく変わったのです。
猫にも心があり、伝えたいことがある――それに気づけたからこそ、ラッキーとの関係はより深く、穏やかなものになっていきました。
鳴き声に悩む日々も、こうして学びや気づきにつながった今では、かけがえのない時間だったと感じています。
これからも、ラッキーの“声”を聞きながら、心と心でつながる毎日を大切にしていきたいと思います。
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